今後、対応が必要となるカスハラ対策と就活セクハラ対策 | 社会保険労務法人 庄司茂事務所

今後、対応が必要となるカスハラ対策と就活セクハラ対策

  • 人事・労務ニュース

 2025年の通常国会で改正労働施策総合推進法等が成立し、2025年6月11日に公布されました。以下では、公布された内容の中から、カスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」という)対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント(以下、「就活セクハラ」という)対策についてとり上げます。

[1]カスハラ対策
 現時点では、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメントの対策が企業に対して義務化されていますが、今回、これにカスハラの対策が追加されます。
 この「カスハラ」とは、以下の3つの要素をすべて満たすものをいいます。

  1. 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行う、
  2. 社会通念上許容される範囲を超えた言動により、
  3. 労働者の就業環境を害すること。

 このカスハラ対策については、企業が講ずべき措置として、方針等の明確化とその周知・啓発、相談体制の整備・周知、発生後の迅速かつ適切な対応・抑止のための措置が挙げられていますが、具体的な内容については今後指針で示される予定です。

[2]就活セクハラ
 厚生労働省の「令和5年度職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、2020~2022年度卒業で就職活動(転職を除く)またはインターンシップを経験した男女の中で、インターンシップ中に就活セクハラを一度以上受けたと回答した人の割合は30.1%、インターンシップ以外の就職活動中に受けた人の割合は31.9%でした。このような状況を解消するため、就活セクハラについても対策が義務化されました。
 この就活セクハラ対策についても、企業が講ずべき措置として、方針等の明確化とその周知・啓発、相談体制の整備・周知、発生後の迅速かつ適切な対応・抑止のための措置が挙げられていますが、具体的な内容についてはカスハラ対策と同様、今後指針で示される予定です。

 これらの施行については、公布後、1年6か月以内の政令で定める日となっており、2026年12月までには施行される予定です。厚生労働省からの今後の情報に注目をしておきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について
厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査について

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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